第十三話 ２４時間テレビ [第二章]
お盆を迎えての外泊も終わり、少しずつ日中の時間が短くなってきたことを実感し始めた昨年の今頃、
ボクの入院生活も２ヶ月目に突入していました。
この頃はボクも割と好調で、お盆には１泊２日で自宅に戻り、墓参りなどもしていました。
その時のことはこちらにご紹介しております。⇒⇒⇒なかちゃんのうたごえ日誌 ２０１０年８月１４日 『盆帰り』
お盆前後の日誌を見てみましょう。またＯＯさんがお見舞いに…は、割愛します。
８月７日(土)
今日は放射線の治療はなし。点滴も取れて、快適なことこの上なし。昨日１日での小便の量、回数共にビックリした。(１９回、4,300CC)
14:25
８月８日(日)
もう今日の仕事は全部終わった。と言っても、今日はガーゼ交換だけだったけど… こうなると後はとってもヒマだ。ラジオで谷村新司の番組をやってる。しばらく聞いていよう。
10:25
８月９日(月)
また新しい週が来た。何もしないで新たな毎日を迎えているような気がして、何となく複雑だ。まぁ、あまり深く考えないことにしよう。
07:34
とうとう村の方が来られるようになった。今日は午後からご近所さんが２軒見えられた。
14:46
８月１１日(水)
日記に書くこと(ネタ)もなかなかなくなってきた。昨日も書いてないし今日もほぼ何もなし。え～っと、今日は紀子に来てもらった。そしてＰＣ用にBOSEのスピーカーを買った。
Ｏ田さんちの紘未ちゃんの車両入替が終わった。
20:45
８月１２日(木)
いよいよ入院して５週目に入った。５週目というと、普通は１ケ月と考えるんだろうなぁ。 今日は台風が来ているとのことだが、病室にいてはほとんど分からない。早く行ってくれればいいのに…
11:35
８月１５日(日)
一昨日から一泊で家に帰ってきた。墓に参って親戚と呑んだ以外は何もせず…だったが、久しぶりに泊まった我が家、やはり良かった。
今日は朝から眠い。まぁ、これくらいになると誰も来ないだろうし、一日中寝てることにしよう。
9:34
８月７日に小便の回数と量を計っていたのは、この日に点滴による抗がん剤治療が行われたのです。
そして、抗がん剤を投与する前後に大量の生理食塩水を点滴で入れるので、それに対してどれだけ
出るかを計らねばならないとのこと…はっきり言って面倒くさかったです ＾＾；
さて、話は少しそれますが、がんの治療には大別して３つの治療法があるんですね…
まずは手術ですが、解説書によっては外科的治療とか外科的療法とも書いてあります。
そして、放射線治療。これは、ボクが８月５日から始めたものを含めていうのですが、一口で放射線治療と
言ってもいろんな種類があるんですね…
以下のとおりです。
そして、最後に化学療法です。
あとで自分で気付いて笑ってしまったんだけど、病棟に置いてある医学雑誌を読んでて、『ふ～～ん、
がんの治療といっても、手術と放射線に、まだ化学療法もあるんか。ボクは手術と放射線の他には
飲む抗がん剤と、点滴だけだから、化学療法もやってる人と比べたらまだ恵まれているんだな。』
なんて、そんなアホなことを考えていたんですね。
飲む抗がん剤も点滴も、総称して化学療法と呼ぶということに気付いたのは、退院する１週間ほど前の
ことでした （＾＾；
さて、放射線治療のお話が出たので、ここで少しボクの受けた治療についてお話しましょう。
こちらが治療を始める前にボクに渡された治療計画書なんですが、ここに書いてある副作用というやつに
この後大いに悩まされることになるんですが、この時点ではまだ軽く考えています。
こちらは、ボクの昨年の放射線治療のカレンダーです。
こちらに沿って…というか、８月５日から９月９日までの間、土日を除いたほぼ毎日、放射線の照射が
続きました。
そしてその放射線を照射されるときに装着したのがこちらの器具です。
実はこの器具、放射線治療用マスクとでもいいましょうか、放射線治療を受けるときにはこのような
形で装着します。モデルはボクです ＾＾；
このようにしてボクの放射線治療は続きました。
さて、今回のタイトルでもある『２４時間テレビ』なんですが、実はボクはあの番組の無理やり泣かせる
ような部分や、何となくヤラセではなかろうかという番組作りが、あんまり好きではなかったんですね。
ところが、昨年の放送（8/28～29）を見ていて、ちょっとだけ見直しました。
というのも、昨年の番組の中のドラマに『ミポリンのえくぼ』というのがあったんですが、小児ガンに罹った
女の子が、つらい治療に懸命に耐えて頑張って、最後は天に召されるという、いかにもお涙頂戴ドラマ
だったんだけど、その治療風景の中にあの放射線治療用マスクを装着しているシーンがあったんです。
その時のボクの精神状態は、普通ではなかったのかもしれませんが、不覚にもそのドラマを見ている
間中ボクは泣いていたんです （TT）
その時に思ったのは、その前の年までのボクは、かなり歪んだ目で番組を見ていたのではなかろうか？
こういうホントの部分を映すこともあるんだな…ということですね。
冷めた目とは違う、何か素直ではない目で番組を見ていたような気がします。『こんなん見て泣く奴は
アホだ…』みたいな感じですかね (・_・!)
もちろん今でも番組の司会者というか、進行役の話し方はあんまり好きにはなれません。それと、テレビで
日本中に愛だの絆だのと言っているのだから、『お前もノーギャラでやれよ…』とは今でも思います。
何はともあれ、今ではほんの少しだけ素直な目であの番組を見てもいいのかな？とも思います ＾＾；
何やらお話の収拾がつかなくなってしまいましたが、次回に続きます （＾＾）
ボクの入院生活も２ヶ月目に突入していました。
この頃はボクも割と好調で、お盆には１泊２日で自宅に戻り、墓参りなどもしていました。
その時のことはこちらにご紹介しております。⇒⇒⇒なかちゃんのうたごえ日誌 ２０１０年８月１４日 『盆帰り』
お盆前後の日誌を見てみましょう。またＯＯさんがお見舞いに…は、割愛します。
８月７日(土)
今日は放射線の治療はなし。点滴も取れて、快適なことこの上なし。昨日１日での小便の量、回数共にビックリした。(１９回、4,300CC)
14:25
８月８日(日)
もう今日の仕事は全部終わった。と言っても、今日はガーゼ交換だけだったけど… こうなると後はとってもヒマだ。ラジオで谷村新司の番組をやってる。しばらく聞いていよう。
10:25
８月９日(月)
また新しい週が来た。何もしないで新たな毎日を迎えているような気がして、何となく複雑だ。まぁ、あまり深く考えないことにしよう。
07:34
とうとう村の方が来られるようになった。今日は午後からご近所さんが２軒見えられた。
14:46
８月１１日(水)
日記に書くこと(ネタ)もなかなかなくなってきた。昨日も書いてないし今日もほぼ何もなし。え～っと、今日は紀子に来てもらった。そしてＰＣ用にBOSEのスピーカーを買った。
Ｏ田さんちの紘未ちゃんの車両入替が終わった。
20:45
８月１２日(木)
いよいよ入院して５週目に入った。５週目というと、普通は１ケ月と考えるんだろうなぁ。 今日は台風が来ているとのことだが、病室にいてはほとんど分からない。早く行ってくれればいいのに…
11:35
８月１５日(日)
一昨日から一泊で家に帰ってきた。墓に参って親戚と呑んだ以外は何もせず…だったが、久しぶりに泊まった我が家、やはり良かった。
今日は朝から眠い。まぁ、これくらいになると誰も来ないだろうし、一日中寝てることにしよう。
9:34
８月７日に小便の回数と量を計っていたのは、この日に点滴による抗がん剤治療が行われたのです。
そして、抗がん剤を投与する前後に大量の生理食塩水を点滴で入れるので、それに対してどれだけ
出るかを計らねばならないとのこと…はっきり言って面倒くさかったです ＾＾；
さて、話は少しそれますが、がんの治療には大別して３つの治療法があるんですね…
まずは手術ですが、解説書によっては外科的治療とか外科的療法とも書いてあります。
そして、放射線治療。これは、ボクが８月５日から始めたものを含めていうのですが、一口で放射線治療と
言ってもいろんな種類があるんですね…
以下のとおりです。
そして、最後に化学療法です。
あとで自分で気付いて笑ってしまったんだけど、病棟に置いてある医学雑誌を読んでて、『ふ～～ん、
がんの治療といっても、手術と放射線に、まだ化学療法もあるんか。ボクは手術と放射線の他には
飲む抗がん剤と、点滴だけだから、化学療法もやってる人と比べたらまだ恵まれているんだな。』
なんて、そんなアホなことを考えていたんですね。
飲む抗がん剤も点滴も、総称して化学療法と呼ぶということに気付いたのは、退院する１週間ほど前の
ことでした （＾＾；
さて、放射線治療のお話が出たので、ここで少しボクの受けた治療についてお話しましょう。
こちらが治療を始める前にボクに渡された治療計画書なんですが、ここに書いてある副作用というやつに
この後大いに悩まされることになるんですが、この時点ではまだ軽く考えています。
こちらは、ボクの昨年の放射線治療のカレンダーです。
こちらに沿って…というか、８月５日から９月９日までの間、土日を除いたほぼ毎日、放射線の照射が
続きました。
そしてその放射線を照射されるときに装着したのがこちらの器具です。
実はこの器具、放射線治療用マスクとでもいいましょうか、放射線治療を受けるときにはこのような
形で装着します。モデルはボクです ＾＾；
このようにしてボクの放射線治療は続きました。
さて、今回のタイトルでもある『２４時間テレビ』なんですが、実はボクはあの番組の無理やり泣かせる
ような部分や、何となくヤラセではなかろうかという番組作りが、あんまり好きではなかったんですね。
ところが、昨年の放送（8/28～29）を見ていて、ちょっとだけ見直しました。
というのも、昨年の番組の中のドラマに『ミポリンのえくぼ』というのがあったんですが、小児ガンに罹った
女の子が、つらい治療に懸命に耐えて頑張って、最後は天に召されるという、いかにもお涙頂戴ドラマ
だったんだけど、その治療風景の中にあの放射線治療用マスクを装着しているシーンがあったんです。
その時のボクの精神状態は、普通ではなかったのかもしれませんが、不覚にもそのドラマを見ている
間中ボクは泣いていたんです （TT）
その時に思ったのは、その前の年までのボクは、かなり歪んだ目で番組を見ていたのではなかろうか？
こういうホントの部分を映すこともあるんだな…ということですね。
冷めた目とは違う、何か素直ではない目で番組を見ていたような気がします。『こんなん見て泣く奴は
アホだ…』みたいな感じですかね (・_・!)
もちろん今でも番組の司会者というか、進行役の話し方はあんまり好きにはなれません。それと、テレビで
日本中に愛だの絆だのと言っているのだから、『お前もノーギャラでやれよ…』とは今でも思います。
何はともあれ、今ではほんの少しだけ素直な目であの番組を見てもいいのかな？とも思います ＾＾；
何やらお話の収拾がつかなくなってしまいましたが、次回に続きます （＾＾）
2011-08-24 22:29
コメント(5)
なかちゃんの事務所にお邪魔すると、そのマスクが戦友のように置いてあるので、
何となく感慨深いものがありました。何事も、経験するのと、本で読むのとは違う
もんね。２４時間ＴＶのなかちゃんの、素直な感想は当然だと思います。
僕は今もあの番組には否定的です。もちろん、あの番踏みで取り上げられている
方々は、懸命に、その境遇と戦っていらっしゃるわけで、それを否定する気はあり
ませんし、見ると、きっと僕も泣いてしまうと思います。嫌いなのは、企画する側の
ＴＶ局側の姿勢なんです。他に他意はありません。それにしても、心臓病のおやじに
マラソンをさせるＴＶ局っていったい・・・。
なかちゃんの次にガンコなオヤジより
by horigon (2011-08-25 16:37)
24時間TVってあまり見たことがないのですが……。
2001年に亡くなった父の通院、入院時に関連して
病院、医者というものにあまり良い印象がないので、
病室が出てくるドラマが見たくない時期がありました。
ご自分が体験した治療用マスクをドラマでご覧になって、
心から泣けるということは、ドラマの作りが良かったのかな？
きっと、なかちゃんは、入院した主治医の先生、
スタッフの方々などに恵まれたということなのでしょうね。
つまらないコメントですみません……。
なにはともあれ、こんなに冷静に振り返る時期が来て、よかったです！
by ぐーちゃん (2011-08-26 16:03)
♪先輩、こんにちは ＾＾
そうか、戦友ですか…さすがは先輩、うまいことをおっしゃいますね。
確かにボクにとっては忘れられないマスクなんです。
でも、自分で健康には気をつけるように…ってことで、まぁ自己啓発的な意味で飾って
あるんです ＾＾；
あの番組に関しては、確かに『アホか』と思う企画の部分がたくさんありますね。
今回のマラソンランナーもホントにおっしゃるとおりだと思います。
あら？誰がボクの次にガンコなのかな？？？ボクのガンコは先輩から伝染したものだと
思っているんですが… （＾＾；
♪ぐーちゃんさん、こんにちは ＾＾
24時間TVは、その中でも見たい番組(企画)と、絶対に見たくない企画があって、見たり
消したりしている内に、いつの間にか寝てしまっています ＾＾；
あのドラマは、丁度ボクが放射線治療の副作用が一番酷い時に観たので尚更泣けたのかも
しれませんね。
ボクは確かに病院のスタッフの方々には恵まれていたかもしれませんね…
なにしろこんな地雷のようなボクがほとんど爆発せずに毎日を過ごしたのですから。
つまらないコメントなどありませんよ ＾＾
ホントにいつもご来訪くださりありがとうございます。
今後ともヨロシクお願いいたしますね （＾＾）
by なかちゃん (2011-08-27 11:38)
こんんちは。２４時間テレビの見方が変わった理由、納得です。
そういえば２４時かんテレビって、ワタシが子供の頃に「火の鳥」のアニメをよく流してた時期があって、それは見てたな～。
亡き母は、必ずドラマを見てました。そして必ず泣くんです（笑）でもね「これは本当にあったことがもとで、その人や家族はそれを残したいって思ってほんｙあドラマになるんだから、生きてる人間は見なきゃ！」って言うんです「戦争の話だって、作り物もあるけど、誰もざけて作ってない。誰もが思いを込めて作るから見るんだ！」って、『ほたるの墓』なんて冒頭から号泣しつつ必ずテレビですると見てました。そんな母は普段ドラマなんて見なかったからポリシーがあったのかも？今ふとそう思います。
by ちあこさん (2011-08-28 17:26)
♪ちあこさん、こんばんは ＾＾
えっ？昔は火の鳥のアニメをやってたんですか？？？知らなかった。なんともったいない。
実はボクは火の鳥が大好きなんです ＾＾；
なるほど、ちあこさんのお母さんはご自分なりのお考えをきちんとお持ちだったんですね。
ボクはどうだったか？というと、全く自信がありません…
『ほたるの墓』も、『はだしのゲン』も、ボクは見る前から泣いてしまうんですよ ヾ(・ε・。)
だけど、ボクはそんな自分を決して嫌いではありません （＾＾；
by なかちゃん (2011-08-28 18:56)